※こちらの記事は自動文字起こしを元に編集しているため誤字脱字はご了承ください
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2人目の採用と違和感に気付いた経緯
浅山さんは、2人目の社員として女性を採用しましたが、採用後1ヶ月半ほどで違和感を感じ始めました。本人と一緒にいる時の表情と、他のスタッフとの関わり方に大きな差があり、スタッフからの指摘も受けたことで、「このままでは事務所の戦力にならない」と判断するようになりました。採用後の仕事ぶりに大きな問題はなかったものの、組織の将来を考えて解雇を検討するに至りました。
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解雇を決断するまでの葛藤とタイミング
浅山さんは解雇の決断をすぐに実行できず、毎回タイミングを逃してしまいました。相手が元気に仕事をしている姿や、自分の忙しさなどを理由に、解雇を伝えることを先延ばしにしてしまいます。最終的には、使用期間のデッドラインギリギリで、ついに意を決して解雇を伝えましたが、その際には相手から泣かれるなど、精神的に大きな葛藤が伴いました。
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経営者としての成長と解雇経験の重要性
今回の解雇経験は、浅山さんにとって大きな成長の機会となりました。これまで法律に基づいて形式的にアドバイスをしていた自分から、経営者として実際の決断を下すことで、より現実的な対応ができるようになったと語ります。特に、法律だけにとらわれず、スタッフや事業の未来を考えて判断する重要性を改めて実感したとのことです。
- 浅山:おはようございます!エフピオ浅山の「運がいいラヂオ」スタートです。浅山さん、おはようございます。
- 浅山: おはようございます。
- 二宮: おはようございます、山です。えー、聞き手となっているリクライブの二宮です。えー、二人で今日もやっていきます。よろしくお願いします。えっと、今回で7回目かな?
- 浅山: はい、そうですね、もう7回目ですけれども。
- 二宮: はい、ラッキーセブン回やっていきましょう。よろしくお願いします。
- 浅山: よろしくお願いします。
- 二宮: で、前回までが…ちょっと、前回、採用の話しましたよね。初めての採用みたいな話で。
- 浅山: はい、そうですね。
- 二宮: で、2人目の話がちょっと長くなりそうなんで、今回に回してきたわけですけれども。
- 浅山: そうですね、「初めての解雇」ってやつですね。
- 二宮: おっと!初めて。これ、タイトルにするとしたらどうなるんですか?
- 浅山: えー?
- 二宮:いや、僕ら運が良かったって閉めないといけないですけど(笑)。
- 浅山: まあ、話を聞けばなんとなく分かると思いますけど。
- 二宮:分かりました。じゃあ、聞きながらやっていきましょう。僕もどういう話か知らないんでね。
- 浅山:そうですね。あの、まあ、2人目ね、間もなく採用することができて。うん、まあ女性の方だったんですけど、よく使用期間って設けるじゃないですか?採用して、使用期間2ヶ月とか3ヶ月とか。
- 二宮: そうそう。
- 浅山: で、まあ使用期間3ヶ月で、その方を社員として、2人目として採用させていただいたんですけれども。なんか、私と一緒にいる時の顔と、私が職場にいない時、つまり外に出かけて、さっき言った松田さんみたいな人と一緒にいる時の顔が、あまりにも違うって話をね。
- 二宮: 松田さんから?
- 浅山: そうそう。仕事ぶりも含めてね。で、その松田さんが言うには、「彼女は今後の浅山事務所のことを考えると、多分このままだと為にならないんじゃないか」と。
- 二宮: うん、なるほど。
- 浅山: まあ、そう言ってきて。
- 二宮: はい。
- 浅山: なんとなく、それは彼女から言われるまでもなく、採用して1ヶ月ちょっと経ったくらいから違和感を感じていて。仕事自体はそんなにできないわけじゃなかったんですけど。もともと法律事務所、弁護士事務所か何かで働いていた方なんで、我々の仕事とも少し近い業務だったんです。
- 二宮: うん。
- 浅山: だから、仕事そのものは問題なかったんですけど。で、彼女からそういう提案、というか話があって、「確かにそうだな」と思って。で、1ヶ月半くらいの時点で、もう「お別れしよう」って私なりに決断して、それを申し伝えるというか、伝えなきゃいけないっていう状況がきたんですよ。
- 二宮: うん、そうですね。
- 浅山: ただね、なんかお客様からこういう相談ってすごく受けるんですよ。特にその当時、労務のことですごく相談を受けて。
- 二宮: うんうん、わかります。
- 浅山: 例えば、「このままで大丈夫か?」とか、前回も話しましたけど「こうすべきだ」みたいなアドバイスはしてたんですけど、いざ自分で言おうと思うと、なかなか言えないんですよ。で、今日言おうかなって思った日に限って、彼女がすごく元気そうに仕事してたりして、「今日はやめとこうかな」ってなるんです。
- 二宮: ああ、そういうの分かります。
- 浅山: で、次の日になると今度は自分が忙しかったりして、「今日は言うのやめようかな」とか。で、どんどん日が過ぎてしまって、使用期間3ヶ月の最終日が近づいてきたんですよ。で、その日を過ぎると、本採用みたいな感じになっちゃうんです。本採用と使用期間中では、ちょっと意味が変わってきちゃうんで。
- 二宮: そうですね。
- 浅山:だから、「もうこの日しかない!」という日が来たんです。でも、その日もギリギリまで言わなかったんですよ。
- 二宮: ああ、そうなんですか。
- 浅山:うん。ギリギリで、本当に。
- 二宮: ふーん。
- 浅山: で、その日、松田さんっていうスタッフには「今日は言うつもりだし、なんかあれるかもしれないから休んでいいよ」って言って、休んでもらったんです。で、2人で仕事してて、昼間に言うのもなんだから、帰り際に言おうかなと思ってたんです。でも、私、夕方から用事があって出かけちゃったんですよ。
- 二宮:ふーん。
- 浅山: で、戻ってきたら、話が少し違うんですけど、私、生クリームが好きなんですよ。
- 二宮: 生クリーム?
- 浅山: はい、生クリームとか、シュークリームとかが好きなんですけど。で、たまたまその彼女が昼休みに外出して、千葉駅の近くに事務所があったんですけど、そこで「私のためにシュークリームを買ってきました」って言われて…。
- 二宮: えー。
- 浅山:うわ、これ食べる前に言うのか、食べた後に言うのかどうしようって思って(笑)。でも、もうその日はデッドラインだったので、やっぱり言わなきゃいけないと思って、言ったんですよね。
- 二宮:おおー。
- 浅山: で、彼女と色々やり取りして。彼女は弁護士事務所の出身だから、解雇の理由が合理的かどうかって理屈っぽい話をしてきたりして。あと、正直、泣かれたりもしました。
- 二宮: ああ、そうなんですか。
- 浅山:うん。さらっと言いましたけど、結構色々ありましたよ。向こうだって生活がありますから。
- 二宮: そうですね。
- 浅山:だから、やっぱり大変なことではあったんですけど、次の日の朝、起きた時にはね、色々考えたんですよ。「これから労務トラブルになるんじゃないか」とか、「監督署のお世話になるかもしれない」とか、「民事で争うことになるんじゃないか」とか。でも、結果として、自分が頑張っているスタッフのために、きちんと決断して物を言えたってことが、自分にとってすごく大きかったんです。
- 浅山: なるほど。
- 二宮: 他人のことについてはアドバイスできても、自分のこととなると言えなかった。でも、今回は言えたんで、朝起きた時にすごく清々しい気持ちになりました。
- 二宮: へぇ、そうなんですね。
- 浅山: うん。その時に思ったのは、これから先、経営者の方から解雇とか「どうしようかな」っていう相談があった時に、どうしても法律的な側面からのアドバイスが多かったんです。例えば「労働基準法ではこうだ」とか「民事で争うことになった場合にこういうリスクがありますよ」とか、ある意味、形式的なアドバイスでしかなかった自分を振り返ることができたんですよね。
- 二宮: ああ、なるほど。
- 浅山: でも、今回の経験で、もし仮に後で何か問題が起きたとしても、「堂々と負ければいいじゃないか」っていう、そういう覚悟が持てるようになったんですよ。だから今後、同じような状況で経営者の方が相談に来た時に、自分の経験を踏まえて「法律上、リスクがあるかもしれないけど、それでもやるべき時はやるべきだ」と、もっと本当の意味で心から出る言葉としてアドバイスできるようになったんです。
- 二宮: うんうん、すごいですね。それ、やっぱり自分で体験したからこそ、そういう風に言えるようになったんですね。
- 浅山: そうですね。それまでだと、表面的には「こういう風にした方がいいですよ」とか、法律的なアドバイスはできても、なんとなく自信がなかったんですよね。でも、今回は自分自身がすごく悩んで、1ヶ月くらい考えた上で、実際に行動したことで、やっぱり実感として得られたものが大きかったです。
- 二宮: うん、それは大きいですね。
- 浅山: だから、その方には本当に申し訳なかったと思っていますけど、でも、この経験を通して学んだことは、自分にとっては本当に貴重なものだったなと思います。
- 二宮: そうですね、結果的に浅山さん自身にとっても大きな成長の機会になったわけですもんね。
- 浅山: そうですね。解雇自体が「運が良かった」という言い方は語弊があるかもしれないけど、でも、この経験があったことで、その後の自分にとってすごくプラスになったと思います。
- 二宮: いや、確かにそうですね。
- 浅山: やっぱり、自分で体験してみると、全然違うんですよ。社会保険労務士として仕事をしていると、どうしてもその「枠組み」の中で考える癖がついちゃうんですよね。「法律的にどうだ」とか、「リスク管理としてどうだ」とか。でも、今回の経験で、それだけじゃなくて、経営者としての自分の心の問題とか、人間関係とか、そういうこともすごく大事だって改めて気付かされました。
- 二宮: そうですよね。法律は大事だけど、それだけじゃない部分もあるんですね。
- 浅山: 本当にそうなんです。法律ももちろん重要だけど、それ以上に、現場で何が起きているのか、どういう気持ちでその人と接しているのか、そういう部分もすごく大事なんだっていうことを今回痛感しました。
- 二宮: なるほどなあ。確かにそうですね。
- 浅山: この経験が、特に早い段階でできたっていうのは、本当にありがたかったなと思ってます。
- 二宮: うん、それは大きいですね。しかも、これからまだまだ採用とか解雇とか、経営者としてそういう場面がいっぱいあると思いますけど、この経験が生きてくるんでしょうね。
- 浅山: そうですね。その後も何度か採用や解雇に関わることがあったんですけど、やっぱりこの最初の経験がベースになっていて、それをさらに深めることができたと思います。
- 二宮: うんうん。
- 浅山: やっぱり、法律上のことだけでなくて、自分たちの会社の未来をどうするか、そのために誰を残すべきか、そういうことを考えるようになりましたね。
- 二宮: そうですね。なんか、僕ももし今後同じようなことがあったら、浅山さんの話を思い出して、少しでも役に立てたいなと思います。
- 浅山: そうですね、やっぱり残るメンバーのことを大事にするっていうのが一番ですからね。自分たちの会社の未来を考えた時には、どうしてもそこを優先しなきゃいけない場面が出てくるんですよ。
- 二宮: そうですよね。
- 浅山: だから、その時にちゃんと自分で決断できるかどうか。それが大事だと思います。
- 二宮: うん、確かにそうだなあ。
- 浅山: 当時は2人しかいなかったから、すごく大きな決断でしたけど、やっぱり「どうしたいのか」っていうことをちゃんと考えて、その上で行動できるっていうのが、すごく大事なんですよね。
- 二宮: うんうん。いやあ、勉強になります。
- 浅山: まあ、勉強になるって言っていただけるのはありがたいですけど、やっぱり自分自身の経験から学んだことなんで、これからも活かしていきたいなと思いますね。
- 二宮: そうですね。いや、本当に貴重な話でした。なんか、今日はちょっと重い話かなと思ったら、すごく前向きな話で、朝からいい話を聞けました。
- 浅山: そうですね、ちょっとしんみりする部分もありましたけど、最終的には前向きな結論に持っていけたと思います。
- 二宮: うん、やっぱり運が良かったっていう結論に持っていくところがさすがです。
- 浅山: ありがとうございます(笑)。
- 二宮: ということで、今日も朝から聞いてくださった方、ありがとうございました!
- 浅山: ありがとうございました。
- 二宮: 皆さん、今日もお仕事頑張ってください!
- 浅山: いってらっしゃい!