- 目次
- 「運がいいラヂオ」って、聞いたことある?
- 長いつきあいのある伊藤さんと
- 伊藤さんの自己紹介を改めて
- 17年前の出会いと、あの時の講演
- 法人立ち上げ時の混乱と、信頼の始まり
- 最初のスタートは2.5人だった
- 人を雇う責任と、仕組みを作る大切さ
- 周囲からの批判、それでもやった「長時間訪問介護」
- 夜勤のしんどさと、人の採用の難しさ
- 修業規則から見える「法人としての哲学」
- 今は“地域マネジメント”という視点で
- 仕組みと個別対応、そのせめぎ合い
- 支援の“対象”を絞らずに、どう受け入れるか
- 新卒採用の苦悩と希望
- 実は娘さんも…新社会人に!
- 外国人スタッフの採用と可能性
- 外国人雇用は“割安”ではない…
- このまま“土台を育てる”ことが鍵
- エンディングの時間が近づいて…
「運がいいラヂオ」って、聞いたことある?
どうも、おはようございます。社会保険労務士法人エフピオの浅山雅人です。今日も「運がいいラヂオ」、元気に始めていきたいと思います。
今日はですね、4月2日…え、今日何曜日だっけ?水曜日か、水曜日ですね。新年度が始まって、うちでも新入社員研修がスタートしてます。
今日はいつも一緒にやってる二宮が不在でして。僕ひとりでやるのはちょっと寂しいなと思いまして…頼れるゲストをお呼びしました!
すでに僕の前に座ってくださってるんですけど(笑)、改めてご紹介します。
社会福祉法人りべるたすの理事長であり代表理事、伊藤佳世子さんです。今日はよろしくお願いします!
長いつきあいのある伊藤さんと
僕と伊藤さんって、もう本当に長い付き合いなんですよ。
仕事でもずっと一緒にやってきてて。今日はね、そんな関係性を踏まえながら、僕たちがどんな思いでお客さんと向き合ってきたかとか、法人のこれまでとか、そういう話をざっくばらんにやっていけたらと思ってます。
というわけで、改めて伊藤さん、よろしくお願いします!
あ、そうそう…昨日、アメ噛んでたらさ、歯の奥がまた割れちゃって(笑)。前も氷でやっちゃったんだけど、今回はアメで。歯が尖って下に当たって、ちょっと喋りにくいけど、まあそれも含めてよろしくお願いします。
伊藤さんの自己紹介を改めて
さて、伊藤さんのことをご存知ないリスナーの方もいらっしゃると思うので、簡単に自己紹介をお願いしてもいいですか?
社会福祉法人りべるたすの理事長をしております伊藤佳世子と申します。法人の本部は千葉市中央区の川戸町にありまして、地域の障害のある方の生活を支える福祉の仕事をしています。最初は株式会社としてスタートしたんですが2016年に社会福祉法人になりまして、今年でちょうど9年目くらいになります。私は千葉市生まれで、ずっと千葉にいる人間で、先生とは干支が一回り違うくらいの年齢ですね。
ネズミ年でしたっけ?僕、ウサギ年。ちょっと違うけど、まぁ同じ時代を生きてる感じで(笑)
17年前の出会いと、あの時の講演力
僕と伊藤さんが初めてお会いしたのが、17年前。伊藤さんが「法人を作ろう!」と動き出した頃のことでした。
当時、就業規則を整えたり、雇用契約を作ったり、いろんな準備をしてたそうなんですけど…。24時間365日のヘルパー派遣をやるとなると、契約とか制度とか、ちゃんと合法的にやらないといけない。でも、どこに聞いたらいいのかも分からない。
そんなとき、商工会議所のセミナーで僕の講演を聞いてくれたのが最初だったそうで。その時に「この人なら相談しても大丈夫かも」って思ってもらえたらしいんですよね。
法人立ち上げ時の混乱と、信頼の始まり
で、実際にお電話いただいて訪問したら、すでに他の社労士さんや税理士さんともお付き合いがある状況で(笑)。でも伊藤さんは「なんか、浅山さんには怒られない気がする」って思ったらしくて。
そこからのお付き合いが始まったんですよね。僕も、あの出会いをすごく覚えてます。17年前って、僕のほうもまだスタッフが1人か2人いるかどうかの時代で。今では考えられないくらいバタバタしてたな〜って。
最初のスタートは2.5人だった
当時のりべるたすさんのスタート時、スタッフが何人だったかって話になったんだけど…。
「最初は2.5人でスタート。非常勤1名を含めて、実質3人くらいで始めました」とのこと。
いや〜それ聞いて、うちもそんなもんだったなって思い出したよ。その頃ちょうど、就業規則を作らなきゃとか、雇用契約をどうするかってことを、まさに考えてた時期だったよね。
人を雇う責任と、仕組みを作る大切さ
ヘルパーステーションって人の力がすべてだからこそ、人を雇うってことの重みが他の業界よりずっと大きい。その中で「私は本当はもっとお金をもらえるはず」とか「契約内容が違う」って言われてしまったら一発で組織がガタガタになるかもしれない。
だからこそ、最初から“合法的でちゃんとした仕組み”を作っておくことが大事だった。そのあたりを僕らと一緒に丁寧にやってきてくれたのが伊藤さんなんだよね。
周囲からの批判、それでもやった「長時間訪問介護」
面白かったのが当時、長時間の訪問介護って、まだほとんどやってなかったんですよ。だから、りべるたすさんのそのやり方に他の事業者からは違和感を持たれることも多かったって。
それでもやった。ニーズが本当にあったし、夜間や早朝に動ける人が必要だったから。今では独立して同じようなことをやる人も増えて珍しくなくなってきたけど、当時は先駆けだったよね。
夜勤のしんどさと、人の採用の難しさ
伊藤さんが「人が寝てる時間に働く」っていうのがどれだけしんどいか、すごく丁寧に話してくれた。僕もお客さんの介護事業者と関わる中で、夜勤の現場って本当に大変だなって感じてる。
だからこそ働く人たちの質を担保しなきゃいけないし、それを支える制度や文化ってめちゃくちゃ大事だと思う。
修業規則から見える「法人としての哲学」
それから、就業規則を整備していく中で印象的だったのが「自分たちはどんな法人でありたいのか」っていう哲学が言語化されていったこと。
伊藤さんが「理念にマッチする人材を採用するにはどうするべきか、今までそんな視点で考えたことなかった」と言ってくれて。そういう“法人の軸”を一緒に作っていけたっていうのが、僕にとってもすごく嬉しかった。
今は“地域マネジメント”という視点で
それで今、伊藤さんはどんなお仕事されてるかっていうと——千葉市中央区の「障害者機関相談支援センター」で管理者をされてるんですね。
現場での個別支援ももちろんやってるけど、主な役割は「地域課題を拾って、それを市や関係機関に届ける」っていう、いわゆる地域マネジメント的な立場なんですよ。
そこがね、僕すごく感心してるところで。ただ目の前の相談に乗るだけじゃなくて、地域全体の仕組みに関わるって、やっぱり法人としての視座が高くないとできないことだなって。
仕組みと個別対応、そのせめぎ合い
やっぱり法人が大きくなってくると「仕組み化」が必要になってくる。でも、そうすると今度は「個別対応」がしづらくなる。このジレンマって、実はうちエフピオでも感じてるところで…。
伊藤さんも「誰もが地域で活躍できる社会を目指す」って理念を掲げてるからこそ、その“誰もが”って部分を簡単に見落としちゃいけないって、すごく真剣に話してくれた。
制度に合わせて線引きしちゃうと結果的に支援できない人が出てきてしまう。でも、それを全部対応しようとすると組織が回らなくなる。
このバランスってほんとに難しい。僕も思わずうんうん頷いちゃってました。
支援の“対象”を絞らずに、どう受け入れるか
たとえばグループホームに入る基準を厳しくすると、入りやすい人は来られるけど、重い障害のある人たちがどんどん排除されてしまう。それって「誰もが活躍できる社会」とは言えないわけで。
でも、そういう人を受け入れるってことは、スタッフの専門性が高くないと成り立たない。だから、個別性を大事にしながら仕組みを作っていくことが、本当に法人としての肝なんだって話、すごくリアルでした。
新卒採用の苦悩と希望
この流れで話題は「新卒採用」にもなったんですよ。伊藤さんのところでは、今年も1名の新卒が入社されたそうです。毎年1人とか2人とか、コンスタントに迎えてるんですよね。
でも福祉業界の新卒離職率って、なんと5割なんだって。1年以内に辞めちゃうケースが多くて「だったら最初から新卒は採らない」って決めてる事業者も少なくないらしいんですよ。
伊藤さんは「それでも育てたい」って言ってて。15年前に新卒で入ってくれたスタッフが今はもう立派に成長して中核になってる姿を見ると、やっぱり若手を育てるって素晴らしいことだなって思うんですよね。僕もすごく共感しました。
実は娘さんも…新社会人に!
伊藤さんの娘さんも今年から新社会人になったっていう話題にもなりまして。入社先は大手メーカーで年間休日127日。ゴールデンウィーク10連休、お盆も年末年始もそれぞれ9連休っていう、ちょっと考えられないくらいの待遇。
伊藤さんは「氷河期世代の私からしたら、天国みたいな会社です(笑)」って笑ってましたけど、ほんと羨ましい。
ちなみに、うちはどうかっていうと…年間休日は120〜123日くらい。監督署やハローワークなど、役所が休みの日は基本的に休みにしてるので、ある意味で分かりやすい運用になってます。
外国人スタッフの採用と可能性
それから話は今の福祉業界が抱える“人手不足”のリアルな話題に。
伊藤さんの法人、りべるたすさんでは180人のスタッフのうち10人が特定技能の外国人スタッフなんだそうです。比率で言うとまだ5〜6%くらいだけど将来的には2〜3割は外国人スタッフになるんじゃないかって、そういう感覚でおられるみたいです。
「千葉市内でも外国人が6割っていう障害福祉施設もあるんですよ」って話もされてて、いや本当に人手が足りない中、頼りにされている存在なんだなと。
外国人雇用は“割安”ではない…
それと「外国人雇用って安く雇えるんでしょ?」みたいな誤解を持ってる人もまだ多いかもしれないけど、伊藤さんの話聞くとそれはまったくの逆。
ちゃんと賃金も支払っていて、むしろ語学や文化、生活支援の部分まで配慮が必要だからコストや労力はむしろ高い。
それでも一緒に働きたいと思える優秀な人材が多くて組織の中でもちゃんと根付いてくれている。それが、りべるたすさんの強さの一つなんだろうなと思いました。
このまま“土台を育てる”ことが鍵
伊藤さんは「最初に土台を作ったから今がある」って何度も言ってくださるんですけど、本当にその通りだなと思います。
法人の成長や変化に合わせて就業規則や雇用制度、採用の考え方まで全部“つなげて考える”ことって実は簡単じゃない。
でも、そういうところを一緒に整えてきたからこそ、今のりべるたすさんの“文化”ができたんだろうなって話していてすごく感じました。
エンディングの時間が近づいて…
…と、ここまで話してきてふと時計を見るとあっという間に20分以上経ってて。いや〜今日はほんとに話が止まらなかった。
最初、二宮がいないからひとりでどうしようかと思ってたけど伊藤さんとのトークが心地よすぎて、むしろ2人でじっくり深堀りできたのがよかった。
ということで今回の「運がいいラヂオ」も、そろそろおしまいの時間です。
ここまでお届けしたのは
「社会保険労務士法人エフピオの浅山雅人と…」
「社会福祉法人りべるたすの伊藤佳世子でした!」
それでは皆さん、今日も元気に——
2人「いってらっしゃい!」

「エフピオ浅山の運がいいラヂオ」は、社会保険労務士法人エフピオの代表浅山がお届けするおめでたい雰囲気のPodcast番組。浅山がエフピオのことや日々の考え、思いをありのまま話したり、たまにはスペシャルなゲストを招き、エフピオを深掘りしていきます。